iNKTがん治療の効果の仕組み

iNKTがん治療の効果の仕組みをお話しする前に従来の免疫治療の効果が限定的である理由をお話しします。

まずがんの中には大きく分けると3種類のがん細胞があります。それは「がん抗原を発現しているがん細胞」、「がん抗原を発現していないがん細胞」、そして新たに出現する「変異がん細胞」です。これら3つのがん細胞を同時に排除できないとがんは再発・転移をしていく事になります。従来の免疫療法は「がん抗原を発現しているがん細胞」か「がん抗原を発現していないがん細胞」のいずれか一方のがん細胞しか攻撃できず、「変異したがん細胞」には対応できていませんでした。更に多くの免疫細胞は活性化すると短期間で消滅してしまうので、長期の攻撃が出来ませんでした。その為に効果が限定的になりがちだったのです。

一方でNKT細胞は自然免疫系のNK細胞と獲得免疫系の細胞傷害性T細胞を同時に活性化できる唯一の免疫細胞です。しかも活性化された免疫細胞の一部が体内に残存し、長期免疫記憶を形成することができるのです(マウスモデルでは36週後にも免疫記憶が形成されていました)。つまりがんを攻撃する免疫系全体を活性化するためにはNKT細胞を活性化する事が重要になります。

しかしながら「がん」があるという事だけではNKT細胞は活性化されないのです。

そこでこのiNKT治療ではNKT細胞を活性化させるために国立研究開発法人理化学研究所の特許技術を使っています。

患者さん自身の体内から取ったある細胞にNKT細胞を活性化する特別な糖脂質をくっつけて体内に戻すことによってNKT細胞を活性化し、更に活性化したNKT細胞が免疫系全体を活性化するのです。細胞自体は自分の細胞ですから、大きな副作用もなく治療できます。

また、がんに対する免疫系全体を活性化するので、がん種を選ばないと言う特徴も持っています。

しかし、過去の臨床結果でも進行がんに対してもすばらしいエビデンスを残しているこの治療法ですが、あくまで自分の免疫系を使った治療なので、効果はゆっくり出るという事は知っておく必要があります。

しかし36週を超える免疫記憶が残る事と副作用も少ないと言うことを併せて考えれば、大変に優れた再発予防法になる可能性は高いと思います。

ちなみにiNKTがん治療と言うようにiを付けられるのは理化学研究所の特許を使用している治療のみです。

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